Netflixドラマ『ユニークライフ』 (Atypical)が好きすぎて
突然ですが、タイトル通り、Netflixオリジナルドラマの『ユニークライフ』(Atypical)が好きすぎてどうしようもないので、だらだらと綴りたいと思います。
ざっくりいうと、自閉症であるサムというティーンエイジャーが主人公で、彼や彼の家族や友達についての物語です。
今のところシーズン3まで配信されていて、来年公開のシーズン4をもって終了みたいです。
定期的に見返したくなるのですが、今回もこの一週間でシーズン全部また見てしまいました。
〜だらだらと好きなポイントを〜
1. 自閉症患者であるサムだけじゃなく、彼の周りの人達についてもしっかり掘り下げられているところ
このドラマと、映画『ワンダー 君は太陽』は似てるなあといつも思うのですが、
両作品ともに障害を持っている主人公の苦悩だけではなく、周りの人たちが感じてる生き辛さや疎外感も丁寧に描いてくれていて。
もちろん、大半の人はなんの難しさも感じず出来ることでも、自閉症を持っているサムにはなかなか難しかったりとか、障害をからかわれていじめられたりだとか、サム自身の苦労もたくさん描かれているのですが。
それと同じくらい周りの家族や友人がそれぞれの問題を抱えてて悩んでいる姿も描いてて。
自閉症と診断された方の苦労を私は語ることはできないけど、なんというかみんなそれぞれ大変だよねと認めてくれるこの作品の優しさだと思います。
TBSラジオのアトロクの影響で宇垣アナが好きなのですが、彼女が言ってた「私には私の地獄があるし、あなたにはあなたの人生の地獄がある」という言葉から感じたものに似てるよなあと思ったり。
2. サムの動物愛が愛おしい
サムは動物、特に南極に住む動物が大好きで。何でもかんでも動物に例えて話すので、毎回みんなに「もういいよ!!!」って言われてるんですが、それが見てて微笑ましい。
ペンギンが一番のお気に入りで、パニックになると、ペンギンの名前を連呼して自分を落ち着かせるシーンがたくさん出てきます。
アデリー、ヒゲ、エンペラー、ジェンツー
他にも辛いことがあったりすると水族館のペンギンの水槽の前に座りこんでずーっとペンギンを見ているの、すごいわかる気がします。
ペンギンの水槽って永遠に見ておけるよね。
ぼーっと観察しながら、推しペンギンを見つけるのがとても好きです。
サムと喧嘩したサムの彼女が、サムへのクリスマスプレゼントとして用意していた巨大ペンギンのぬいぐるみの首を切るシーンがなかなか衝撃的
他にも、飼ってるカメをいつも可愛がっていたり。名前はエジソン。その前に飼ってた亀の名前はテスラ。とか小ネタが多いです。
3.妹のケイシーがとにかく好き
サムの妹役のケイシーがたまらなく大好きなんです。
女の子がいじめられてるのを目撃したケイシーが、いじめっこをグーパンチで殴った、シーズン1の1話の初っ端でもう好きになってしまいました。
その後も、彼氏に酷いこと言われたらそれはおかしいって面と向かってちゃんと怒ったりだとか。
普段は別に自分の主張ばっかするタイプではないけども、自分の中で納得できないことがあったら、恐れずに闘うところがかっこいいし私もそうありたいなあと常々思います。
兄であるサムとの関係性も素敵で。
サムがパニックを起こしてしまったら、いつも駆けつけて、サムが安心するハグで落ち着かせたり(タイトめなハグが好みなサムかわいい)、
学校でサムが孤立しないよう、お昼ご飯1人だったら私に声かけて!とさらっと言ってたり、
一見妹であるケイシーが兄のサムを守っているように見えるんですが、サムはサムでケイシーのことをいつも気にかけていて。
サムが、ケイシーとある女の子とキスをしているところを目撃した時、カミングアウトもなにもしていないケイシーは、見られてしまった!と動揺するんですが、
サムは「マジックとスフェンみたいだね」って、オーストラリアのゲイのペンギンカップルに例えてさらっと流したりとか、
ケイシーが学校や友達関係で悩んでる時には、一緒に動物の映像見て癒されたりとか。
別にベタベタしてる訳じゃ全くないんだけど、お互いのことを理解してて、気にかけてて、必要な時は寄り添い合う2人の関係性がとても好きです。
ケイシーを演じているブリジェット・ランディ=ペインもとても好きです。
ノンバイナリーであることを去年公表していました。
今年公開だった映画『スキャンダル』にも出たりしてて、今後が楽しみです。
4. 他にもいっぱい最高なキャラクターが!
例えば、ケイシーの彼氏エヴァン。
前述した、いじめられてる女の子を見かけたケイシーがいじめっこを殴ったエピソードで、いじめられてた女の子というのがエヴァンの妹で。
正義感強めなケイシーの勇ましさにエヴァンは惹かれて、ケイシーに猛アタックした結果、付き合うことになるのですが。
こういうティーンドラマの恋人役って結構記号的というか深みがないように描かれがちなんですが、エヴァンはそうじゃなくてじっくり描かれててとても共感できるキャラ。
エヴァンのが年上なんですが、交際のペースも自然にケイシーに合わせるし、サムにばかりフォーカスしてケイシーの偉業はほったらかしな彼らの親に対して怒ったりするし、ケイシーもエヴァンも正直に感情を曝け出すので結構ケンカはするけど、毎回お互い非を認めあって仲直りするのがかわいい。
シーズン2後半から徐々にケイシーが親友の女の子イジーに惹かれていって、エヴァンとは結局別れてしまうのですが、
別れた後の2人のシーンもとても良いんだよねえ。
もうケイシーとは付き合ってないですが、シーズン4でも登場してくれることを祈ってます。
あとサムの親友のザヒードも大好きです。
サムと同じ電気屋さんでバイトしてるお調子者な友達なのですが、サムが恋愛や人間関係でわからないことがあるとザヒードがいつも教えてくれる。
サムが自閉症であることを全然気にしていないというかなんというか上手い言い方が見つからないのですが、そのままのサムを受け止めてくれる存在。
自閉症があることで、できないことやわからないことにフォーカスしがちなんですが、ザヒードはいつも、サムの長所を褒めてくれるし、新しいことに挑戦するサムを応援したり、サムができるようになったことを祝ったりしてくれる人です。
一見、「主人公の愉快なバディ」みたいなよくいるキャラに見えるんですが、シーズン進むにつれザヒードの繊細な部分も垣間見えてきてくるんですよね。
5.音楽が最高
音楽もとても良い。特にシーズン3。
普段どんな音楽聴いてるの?という質問されるといつも困るのですが、好きな映画やドラマのサントラのプレイリストを聞き込むことがすごい好きで。
聞き込んだ後にまたその作品を見返すと、よりその作品が色鮮やかになるという。並な表現ですが。より感情的になって楽しめる。
シーズン3のサントラでよく聴いてた
Perfume GeniusのSlip Awayが『ブックスマート』のあのプールシーンで、
PhosphorescentのSong for Zulaが『マティアス&マキシム』のキスシーンとエンディングで使われてて、
どちらのシーンも映画館で体験できたことが今年の映画ライフで印象的なことでした。
こういう出会いが楽しいですよね!
〜〜〜
好きなポイントとしてはざっくりこんな感じなのですが、
総じてこのドラマは登場人物一人一人がリアルというか一面的じゃなくて色んな要素を持った人として描かれていて、そこがとても好きなんだよなあとこのブログ書いたことで気づけてよかったです。
来年公開のシーズン4で終わってしまうみたいですが、コロナの影響で制作決まってたものが突然打ち切りになったりしてしまってるので、無事にファイナルシーズンを迎えられることを強く強く祈っております。