『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』感想
映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の感想です。
映画館にて2回鑑賞しました。
テアトル梅田には監督のサインと展示物も。
私は『この世界の片隅に』が大好きで。映画はもちろん、原作漫画も定期的に読み直してて。
以前ブログに溢れる思いを書き留めて、Twitterにブログのリンクを貼ったら、片渕監督が「いいね」してくれてとても嬉しかった。
https://guavajuice.hatenablog.com/entry/2017/08/27/104533
こうのさんの原作漫画で大好きだった桜のシーンが前作には無かったのでその場面追加されたってだけでも今作作ってくれてありがとうという気持ちです。
「人が死んだら秘密もなかったことになる。それはそれで贅沢なこと。」っていうりんさんの台詞の意味が3年前には理解できなかったけど、最近なんとなくわかるような気がします。
みんな言ってるけど、りんさんとの関係がより深く描かれることで、すずさんが大人っぽく見えたね。周作さんとの仲もより深い印象。
原作のテルさんのシーンも好きだったのでそれも映像化されたこと、とても嬉しいです。
滅入った兵隊さんに一緒に川に飛び込まされて心中させられた(けど失敗)っていう悲しいエピソードをさらっと話しちゃうあっけらかんなテルさんの強さというかなんというか。
この三年でわたしが色々考えたり勉強したりしたからだと思うけど、
お母さんが足弱くなって家のことができなくなった
↓
嫁早くもらわなきゃな
↓
すずさん嫁ぎにきてなんの疑問もなく家事引き受ける&自分が嫁に来たのは家事ができなくなった義母のかわりをするためってすずさん知ってる
っていうこの流れがしんどすぎて。
その当時の当たり前の日常を描いてるんだからこの作品が悪いとかそんなんじゃ全くなくて、だからこそそれが当たり前だったんだって思ったら見てて辛くなった。
あと印象的だったのが空襲のあとの遊郭跡地のシーン。
長い髪の毛とか落ちてて、そこで人が亡くなってるのがくっきり分かるようになってて、ここで生きていた人がたしかに存在したんだよなあとより実感できました。
呉空襲気になってネットで調べてみたけれど、煙とか熱のせいで防空壕の中でもたくさん人が亡くなってるんですね。だから小林さん(かな?)が防空壕なんかに入らんくてよかったーーって言ってたのねと納得しました。
空から爆弾が降ってくることが日常茶飯事だったのがほんとうに想像付かなくて。けどたしかに起こったことなんだもんな。
こうのさんの『夕凪の街桜の国で』だったと思うけど、「私は、世界の誰かに死んでもいいと思われた人間なんだ」っていうフレーズを思い出しました。
漫画版も同等に好きなんだけども、映画版のいいところはコトリンゴさんの音楽ですよね!!!!!!!!!!!
オープニングの「悲しくてやりきれない」のシーン見れたらもう満足と言っても言い過ぎじゃないくらいあのシーン素敵だなあと思うし、エンディングのたんぽぽも大好きです。
2年前の夏、そういや広島のイベントでコトリンゴさんの生歌でこの二曲聞けたなあってしみじみしてます。大切な思い出。
呉に行きたくて仕方ないってずっと言ってる割には全然行ってないので2020年こそ行動に移そう!と公開当時は思ってましたが、こんなことになってしまい。
コロナ収束するのがいつなのかわからないけど、いつか呉にいくことを楽しみに生きていこう。
前作には入りきらなかった原作でのシーンが追加されただけだと思ってたんだけど、原作にもないシーンもありましたよね?
わたしが覚えてないだけかなあ。知多さんの日傘とか。
日常の中に存在する些細な喜びとか優しさとか意識してないと気づかないような繊細なものを思い出させてくれる、この作品に出会って生きやすくなったなあと思うし、
それだけ好きだったのに新しい映画ドラマに飛びついて好きなものをないがしろにしがちな私に、この新作公開でまた『この世界の片隅に』に触れるきっかけをくれて本当にありがとうございます!!!感謝と愛でいっぱいです。