『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』( Long Shot)感想
『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』(Long Shot)の感想です。
今年1月にtohoシネマズなんばにて鑑賞しました。
1億万点。
1月の、当時の私が一番必要としてた映画ですねえ。
まだ2020年始まったばかりだけど暫定1位だと当時は思っていましたが、8月の今でも1位です。
この映画観に行った頃、会社が本当にしんどくて。特に嫌な人がいるってわけではないけど、去年の春から社会人一年目として働き始めてちょっとずつ慣れてきて、周りも自分も徐々に一人前の営業としての仕事を求めるようになってきて。色々なことが上手くいかない上に、課のメンバーはみんな年上の男性で。(みんな滅茶苦茶素敵な人だった)
ミーティングとか会議とかも大体男性ばかり、会社の入ってるビルのエレベーターも毎回男性に囲まれ、お昼ご飯食べにいく定食屋さんも私以外全員男性のことがほとんどだったり。
社外で取引先と商談や打ち合わせするときも10人くらいいても、私だけが女性という状況が大半で。
働く男性が悪いとかそんなことじゃないけど、思ってた以上に世の中は男性社会なんだなとつくづく痛感して、落ち込んでた頃。
現実に心が折れそうだったので、セス・ローゲンのおバカ映画でも見に行って気分あげよ〜〜!って軽い気持ちで会社終わりに観に行ったのに、こんなにわたしにとって大切な映画になるとはなあ。
まず、キャストが最強でそれでまず文字通り映画館で泣きました。
セス・ローゲン&シャーリーズ・セロンというコンビの相性の良さは言わずもがななんですが、
愛してやまないNetflixドラマ『グレイスアンドフランキー』のブリアナ役、ジューン・ダイアン・ラファエルがメインで出てたり、
『フアン家のアメリカ開拓記』とか『アントマン』でお馴染みのランドール・パーク。
そしてみんな大好き『フレンズ』のリサ・クドロー!!!!!!!!!!!!!
泣くしかなかった。こんなの。
予算いけてる?!?!神様欲張りすぎでは?!?!私のための映画かな?!?!?ってなりました。
演説のシーン、自分が許せないことでもこの世でうまく生きていくには妥協するしかないのか、辛すぎるなあと最初思ってたんだけど、
シャーリーズ・セロンが堂々と告発してくれたの見て、こんな素敵な理想の姿を見せてくれてありがとうってずっと泣いてたし感謝した。
そもそもこうやって男性社会で出世していく中で、少しの妥協もすることなく成功していく女性キャラクターってあんまりいない気がする。
実際、こんなに受け入れられるかどうかということではなく、こんな世界になればいいよねっていう理想を見れて本当に嬉しかったんです。
その理想ですらあんまり目にした記憶がないんよなあ。
わたしは女だからって何かを諦めるとか絶対やめよう、って強く思ってるし、人よりもその思いが大きいっていう自負があったけど、無意識のうちにそもそもわたしがなるもの、できることではないって選択肢から外してしまって諦めてることって絶対あるんだよなあってこの映画見てたら思い出して、またそれでも号泣してしまいました。
何回も写ってたけど、TV番組の男性キャスター2人の女性軽視発言に対する、女性キャスターの対応の変化。ここも泣いた、大号泣。
痛いほど分かる。
自分より立場が上の人がそういう許せない発言したときに、弾糾したいけど利害関係があるので出来なくて、けど自分はその発言を支持したくないので、笑いながら辛辣なこと言い返すみたいな。
あくまでもジョークですよ、的な。自分としては皮肉のつもりで言ってるけど、相手はそんな意図には気づいてない。
こうやって男性社会での息苦しさを語ってると、出た!非モテフェミ(笑)とかネット上では言われてますが、
私らが言いたいんは男性が悪いとかそんなんじゃなくて、みんな性別で人をカテゴリーにはめるのやめようよってことですよね。
そこもしっかり描いてくれてたのがよかった。
セス・ローゲンのキャラがさらっと、(ケネディ大統領とマリリンモンローの関係にかけて)、「僕は君のマリリン」って言ったの、歴史に残る名台詞ではないですか?
というか私が残して、語り継ぎます!!!!
語り継がせてください!!!!!!!!!
あまりにも感じるものが多くて真面目なことばかり感想書いているけど、基本下ネタ多めなラブコメで、それも本当に良かった。
押し付けがましくなく、大切なこと教えてくれてありがとうございます。大好きです。
私も、10代の頃の私が今のわたしのこと見て、悲しくなっちゃわないように生きていきたい。
最後に音楽!!!!!!!
サントラ担当どなたなんでしょうか。
バイブスが完全に一致。
好きな曲がたくさん出てきて、 フランクオーシャンのmoonriverとかキュアのclose to meとかずるかったなあ。
キュアが出てくる映画は総じて最高っていう持論の信憑性が高まりました!
ってずっと感激しっぱなしだったんですが、最後の最後で初の女性大統領になったシャーリーズ・セロンと彼女を支える夫セス・ローゲンの映像にロビンのdancing on my ownが合わせられまして、神様、このシーンは私のために作ってくれたんだなあって大号泣。
天才。。。。あのシーン毎日見て生きていきたい。大切。
ひさしぶりにこんなに圧倒されてポロポロ泣いたので滅茶苦茶な感想ですが、とにかく私には必要だった映画。
パンフレット宝物にします。