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『Disclosure トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして』感想

映画『Disclosure トランスジェンダーとハリウッド: 過去、現在、そして』(Disclosure: Trans Lives on Screen)の感想です。

 

Netflixにて鑑賞しました。

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6月にNetflixで配信開始されて以来、ネットで話題になっていた作品。

ハリウッド作品でのトランスジェンダーの描き方についてのドキュメンタリーです。

 

私としては、「トランスジェンダーの人間のキャラを登場させてることに大きな意味があるよな、ちゃんと存在しているって可視化してる。日本の作品だとほぼ観たことないし。」と思ってたものも、当事者本人からすれば、差別だと感じる設定やストーリーだったりして、勉強不足を痛感しました。

 

例えば、この作品内でも取り上げられてたけど、こないだ観た医療ドラマで、MTFの方が怪我で入院して検査してみたら、前立腺がんが発覚、シスジェンダー女性だと思ってた医者が手術したことを秘密にしてたなんて!と怒るっていう流れがあった。

 

生まれた時の体の性でしかならない病気になって死んでしまうか(MTFなら前立腺がん、FTMなら乳がん)、トランスジェンダーだから殺されてしまうか、そんな話ばっかり描かれてると言及されてたけども、
確かにごく最近の作品以外だと本当にそうだと思うし、トランスジェンダーであることばかりがフューチャーされて、1人の人間としての個性とかを丁寧に描いた作品って数少ない。

 

だからこそ、『Pose』は有色人種のトランスジェンダーのキャラクターを深く掘り下げてる、素晴らしい作品の一つなんだけど、
そんなライアンマーフィーも、『Glee』より前の作品だと、上に書いたようなトランス女性の描き方をしてて。
少しずつだけど変わっていってるだよなあ。

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トランス女性を笑いの対象にする数々の作品が登場してたけど、日本のTVでも同じことが起きてるし、私も何も考えず笑ってたんだろうなと反省しています。


最近ではこういう扱いも少なくなってきたけど、数年前はるな愛さんが頻繁にTV出てた頃、必ずと言っていいほど戸籍上の名前が登場して、見た目と名前の響きのギャップを笑いにされてたし。

 

メディアが与える印象が大きいからこそ、そのパワーをいい方向に使って欲しい。

 

作品内で紹介されてたけども、アメリカの8割の人がトランスジェンダーの知り合いがいないという調査結果があって。


周りに自分と同じような状況の人がなかなかいないからこそ、トランスジェンダーの登場人物がもっと増えて、それぞれが自分に寄り添ってくれるキャラクターを見つけて欲しいなあ。

 

私も、なかなか周りに溶け込めなくて、映画やドラマで自分と似たような人物を見つけて、その人に共感して、励まされて生きてきたので、自分に寄り添ってくれるキャラクターの存在の有り難さは実感してます。

 

あと、トランスジェンダー女性の役をシス男性が演じることが雇用の機会を奪うという意味で良くないことは認識していたけれど、

いくら作品の中では「女性らしい」姿になっていても、作品の外、例えば授賞式なんかで、その俳優が髭も生えたいわゆる「男性的」な姿でいると、女装的な意味合いが強くなってしまって危険だという考え方は知らなかったので、とても勉強になりました。

無意識のうちに女装のイメージが強まってしまってる。

確かにその通りだなあ。

 

トランスジェンダー男性が登場する作品の少なさについても言及されてましたが、今まで観たことがあるのはNetflixの『メリーアンシングルトンの物語』くらいかもしれないです。

 

平均的な日本人よりは、トランスジェンダー含めLGBTQIA +に関心があると自分では自覚してましたが、全く勉強が足りないと思い知らされたので、引き続きこういうドキュメンタリーを沢山見ていこうと思います。