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『パットン・オズワルトのこの世はカオス』(Patton Oswalt: Annihilation) 感想

Netflixオリジナル作品

パットン・オズワルトのこの世はカオス』(Patton Oswalt: Annihilation) の感想です。

 

Netflixにて鑑賞しました。

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アメリカのコメディアン、パットン・オズワルトスタンダップコメディです。

 

"it's chaos, be kind"

滅茶苦茶愛に溢れたコメディでした。

 

パットン・オズワルト、このツアーの一年前に妻のミッシェルを亡くしたみたいで、その彼女がよく言ってた言葉が"it's chaos, be kind"

 

犯罪ノンフィクション作家であるミッシェルが1番嫌いな言葉が「物事には理由がある」。

 

彼女は「そうじゃなくて誰にでも起こることでランダムで怖い、だからカオスと恐怖を減らすには人に親切にするべき」って言ってたらしく。

 

全てのことには理由があるって色んなとこで聞く考え方だし、これは運命と言わず何と呼ぶ......!と思うことがあるのも事実だけれど、


同時に、悲惨な事故や事件なんかで何の罪もない人々が犠牲になっていくことが数えきれないほどあるのに、それでも"everything happens for a reason"って言うのはあまりにも暴力的だよなと思うことがあったので、このミッシェルの考え方が好きだし大切にしていこうとなりました。

 

とか、滅茶苦茶スウィートで愛に溢れたパートもありながら、トランプをとことんネタにしてたり、観客の絡んで笑いにしたり、最後の最後で急に下ネタ始めたり、盛り沢山だったなあ。

 

最近のスタンダップコメディ、ただ面白いだけじゃなくて、色々なことを教えてくれるし、かなり繊細というかエモーショナルというかなんというか、上手く説明できないけど、心温まることが多い。

 

感激したのが、ストレート白人男性っていう立場なのに、人種ネタがすごいハマってたこと。


性別、人種、ジェンダーにおいてマイノリティ側がそれをネタにするのは今まで沢山見てきたけど、マジョリティ側がマジョリティ側の人間をネタにしてて、しかも全く違和感というか嫌な感じなくて好きだった。

 

差別をする人間をネタにして笑いが起こるということは、その会場の空間においては、差別をする人間が笑われる対象だという価値観が共有されているわけで。

そういう意味でもコメディって面白いなああいつも思います。

 

パットン・オズワルト、よく見かけるけどどんな人なのか全く知らなかったので今回知れてよかったです。とても優しくて繊細な人でした。